ばんちゃんの読書日記~新書・文庫篇~

読んだ本の感想や勉強になったことをメモするための読書日記です。

バラマキは間違っていない『ベーシックインカム』を読む。

厚生労働省が、各都道府県の審議会が取りまとめた今年度の最低賃金の改定額を発表した。平均最低賃金は、前年度比25年アップの848円となった。賃金の上昇率は3%。政府は目標を達成したとし、今後も最低賃金1000円を目指すべく、毎年賃上げ3%を行っていく…

不条理との闘い 『ペスト』を読む。

8月はお盆や終戦の日、原爆投下の日、日航機墜落事故など、死者を弔う行事が多い。久しぶりに新幹線で出張に出かけたが、帰省ラッシュに巻き込まれえらい目に遭った。小さな子供に我慢を強いてまで、家族が混雑した新幹線に乗って実家に帰り、お墓の前で祈り…

もはや移民はタブーじゃない 『限界国家』を読む。

知り合いの同僚にベトナム人がいる。彼女のマンションのポストに、気持ち悪い投函があったそうだ。「夜の騒音がうるさい。日本社会のルールを守れ」との主旨である。クレームかと思ったが匿名だった。隣人だと思うが確証はない。無視しようと思ったが、次の…

理想的日本人を求めて『文部省の研究』を読む。

テレビをつけると、日本が好きな外国人の特集なんかやっている。「日本のどういうところが好きなのか」「日本はほかの国とは何が違うのか」などインタビューを交えて、日本のすばらしさを日本人に向けて放送している。 本屋に行けば、「実は中国経済は破たん…

政治に参加するには『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』を読む。

知り合いが浮気現場を目撃され、噂が広がった。ラブホテルに入るところを見られたのである。もともと、付き合ってはいないが、とても仲のいい二人だった。何かあるかもね、とささやかれることもしばしばあった。今回の件で、「ああ、やっぱりね。」という声…

子どもを守り、親の雇用を守る仕事 『ルポ 保育崩壊』を読む。

娘が風邪をひいたので、1週間仕事を休んで育児をした。4月に入園して以来、2週間おきに風邪をひいている。この前は、突発性発疹だったらしく、熱が下がったあとブツブツが体にできて、ひどく泣いていた。37.5℃以上の熱だと保育園では、保護者に連絡をして帰…

資産運用するために知っておくべきこと『フィンテック革命の衝撃』を読む。

お金を稼ぐには3つの方法があると思っている。 一つは労働。自分で働いてお金をもらう。フリーランスの場合は、注文がなければ収入はゼロだ。しかし、雇われたらクビになるまで、あるいは自ら辞めるまでは、雇い主から賃金を得ることができる。 二つめは、…

「自分とは違う」を許容できるか『他人の意見を聞かない人』を読む。

久しぶりに面倒くさい男に会った。やたらと自分のやっていることを勧めてくる男だ。自己啓発に余念がなく、常にハードワーク。遊びも仕事も真剣に打ち込んでいる。 それはそれで素晴らしい。私のような怠け者からすれば、公私ともに経済的にも精神的にもより…

国の未来は若い世代が創る『ミッション建国』を読む。

経営していると目標未達というのは、非常に大きな意味がある。プロジェクトを成功させなければ、会社が潰れる可能性もあるからだ。 私生活だって同じだ。目標未達は痛い。30万円かけて通った英会話で、ほとんど話せなかったら、話す機会を増やせなかったら、…

暴力は人間の本性である『戦争にチャンスを与えよ』を読む。

奇妙な夢を見た。16歳になった娘がロックバンドのコンサートに行くという。私は「テロが起きるといけないから、やめた方がよい」と諭す。しかし、娘は聞かない。私の忠告を無視してコンサートに向かう。私は彼女を追いかけてコンサートに潜入を試みる。数…

人間は矛盾した生き物である『自由と秩序』を読む。

最近、いわゆる意識高い系の友人から、News Picksというキュレーションメディアを紹介された。新聞から雑誌まで、ユーザーが気になる記事が羅列されている。そして、Picker(ピッカー)という人たちが、その記事に対してコメントを書いている。 Facebookよろ…

インテリは権力に弱い 『服従』を読む。

5月に入ってフランス、韓国で大統領選挙が行われた。特にフランスでは、国民戦線のルペン候補に注目が集まったが、結局は大方の予想通りマクロン候補が勝った。フランス史上最年少の38歳だそうだ。自分とほとんど変わらない。奥さんが64歳という事実に、我々…

ストレスは親の勲章か『子育てに効くマインドフルネス』を読む。

子どもが保育園に入って1ヵ月が経つ。1歳半からのスタートだったため、なかなか決まらなかった。いわゆる待機児童で、3月までは託児所で数時間預かってもらっていた。 申請書を持って役所に行くと「候補を5つ記入してください」と言われた。「5つもないです…

地球の歴史から温暖化を考える『人類と気候の10万年史』を読む。

気づけばもうゴールデンウィークだ。今年も特に予定を立てなかった。地域によって連休をずらして混雑を解消するなんていう話は、もはや聞かなくなった。頓挫したのだろうか。渋滞も嫌い、行列も嫌い。『どこが人口減少社会だ、もっと人なんか減ればいい』と…

その分析は何のため? 『会社を変える分析の力』を読む。

最近、お昼はテレビを見ている。この時間帯にやっているのは、お笑い芸人のロケ番組か、徹子の部屋か、ワイドショーくらいだ。そう言えばお昼の顔は、タモリからナンチャンになっていた。500円そこらの弁当を食べているのに、東京の人気グルメなんか見せられ…

サザエさんが泣いている『企業不祥事はなぜ起きるのか』を読む。

小学校での成績は抜群によかった。ほとんどいつも満点だ。勉強しなくてもできることが自慢だった。学校から帰ると夕飯前までがっつり友達と遊んで、風呂に入って寝るだけだった。友達も同じように家に帰れば疲れて勉強なんてできない状況だったから、なおさ…

読書は頭の鍛錬だ 『わかったつもり』を読む。

怒濤のような3月が終わり、新年度だ。日本では1月と4月が年のはじめである。4月からの手帳も売っているくらいだ。1月で躓いたら、4月から挽回できる。そういう意味では、もう一度「今年こそ」と目標を確認するのも悪くない。年を重ねるたびに、時間が経つの…

コンビニの未来が楽しみだ 『セブンイ・レブン1号店 繁盛する商い』を読む。

ネット通販大手のアマゾン・ドットコムが、本拠地シアトルに食料品を扱う実店舗を出した。面積167平方メートルの店舗にはレジや精算カウンターがない。アマゾンのIDで店舗に入って、商品を棚から取って、袋に入れて帰るだけ。センサーにより棚から取った商品…

国だって万能ではない 『愛国の作法』を読む。

久々におぞましい映像を見た。幼稚園児が「安保法制の成立おめでとうございます」などと言っている。「がんばれ安倍総理」なんて叫んでいる。これには開いた口がふさがらなかった。口に入れようとした白米が箸から滑り落ちたのである。 教育というより洗脳だ…

我々は自分が思うほど自由ではない 『寝ながら学べる構造主義』を読む。

娘には是非とも英語をマスターして欲しい。およそ20年間の教育を受けてさえも英語を話せなかった親としてのたっての希望である。 どれだけ時間を無駄にしたのか。教育という名の下、This is a pen.から始まった莫大な投資は、完全な失敗に終わったのである。…

欲に正直に生きる 『野心のすすめ』を読む。

働く女性との縁は深い。母はずっと公務員。妻もバリバリのキャリアウーマン。私はエステサロンを経営している。前職も女性が6割以上の会社に勤めていた。それゆえに、女性の働き方には理解がある方だと自負している。 こないだ、アルバイトスタッフから労働…

この選択肢はどうだろう 『戦争する国にしないための中立国入門』を読む。

安倍首相は南スーダンでのPKO活動で自衛隊に死者が出た場合、辞任する意向を示したようだ。国連は南スーダンの治安は非常に悪化しているとして警戒を呼びかけている。南スーダンでの活動報告書も破棄されたとかで防衛省の隠蔽工作が疑われている。 いよいよ…

国谷さんからのメッセージ 『キャスターという仕事』を読む。

録画している動画がハードディスクの容量いっぱいになった。もはや、一刻の猶予も許されない。このままでは、奥さんが観たいと言っていたドラマを録れないではないか。最近多忙を極めている我が夫婦は全くテレビを観ていなかった。週末にまとめて観るはずの…

混沌がもたらすもの『応仁の乱』を読む。

「応仁の乱って!」思わず声が出てしまった。「人よむなしい」で覚えたあの1467年の大乱の文字が、20年の時を超えて私の目の前に現れたのだ。高校以来久しぶりに出くわした懐かしい響きからか、思わず手に取ってしまった。 高校生とは大概こんなものだろうと…

本当に民意は反映されているのか 『多数決を疑う』を読む。

先日のオバマ大統領の演説は素晴らしかった。大統領候補のキャンペーンでの彼の演説を目の当たりにして以来、個人的にひいきにしている。彼の8年間の功績の評価はアメリカ人に任せよう。核なき世界を訴えノーベル平和賞をもらい、アメリカ大統領として初めて…

両立は難しいのか 『仕事と家族』を読む。

1月ほど気合いの入る月はない。仕事もオーバーペースだ。プライベートも気合い十分。さっさと1年の予定もざっくり決めて、海外旅行やイベントを考えている。 毎年1月は出だし好調だ。しかし結局、2月あたりからペースダウンし、5月病にかかるころには計画は…

厄介者の正体『ウイルスは生きている』を読む。

胃腸風邪をひいてしまった。毎年冬には必ずと言っていいほど風邪をひく。自分の軟弱な体が恨めしい。まさか今回はお腹に来るとは。それでも風邪だったことはありがたい。今年はノロウイルスが流行しており、まさか自分もと思いながら病院に足を運んだ。ノロ…

もしかしたら自分も…『愛着障害の克服』を読む。

知り合いが、うつ病の一歩手前であると診断され休職しているそうだ。「一歩手前」とはどういうことかよくわからないが、友達がそう知らせてくれた。しばらく会っていない人の近況をこういう形で聞くのは良い心地はしない。 あんなに明るい男が、まさか、と思…

混乱の震源地を理解する 『中東崩壊』を読む。

友達がエジプトに旅行に行くという。これだけテロや内戦が頻発している地域によく足が向くものだと関心する。私なんか何度もトルコに行こうと思い立っては、二の足を踏んでいる。「いつかは行ってみたいね~」が口癖の私に辟易している奥さんは「事件や事故…

Google先生とのつきあい方『誰が「知」を独占するのか』を読む。

電動歯ブラシに専門の歯磨き粉があることがわかった。奥さんに「ちょっと調べてよ」と言われて、例のごとくGoogle先生を使って検索した。何も考えず、上位3つの記事を読んで歯磨き粉を選んで奥さんに報告した。「研磨剤が入ってなくて、ジェルタイプがよさ…