ばんちゃんの読書日記~新書・文庫篇~

読んだ本の感想や勉強になったことをメモするための読書日記です。

国際情勢

もはや移民はタブーじゃない 『限界国家』を読む。

知り合いの同僚にベトナム人がいる。彼女のマンションのポストに、気持ち悪い投函があったそうだ。「夜の騒音がうるさい。日本社会のルールを守れ」との主旨である。クレームかと思ったが匿名だった。隣人だと思うが確証はない。無視しようと思ったが、次の…

暴力は人間の本性である『戦争にチャンスを与えよ』を読む。

奇妙な夢を見た。16歳になった娘がロックバンドのコンサートに行くという。私は「テロが起きるといけないから、やめた方がよい」と諭す。しかし、娘は聞かない。私の忠告を無視してコンサートに向かう。私は彼女を追いかけてコンサートに潜入を試みる。数…

インテリは権力に弱い 『服従』を読む。

5月に入ってフランス、韓国で大統領選挙が行われた。特にフランスでは、国民戦線のルペン候補に注目が集まったが、結局は大方の予想通りマクロン候補が勝った。フランス史上最年少の38歳だそうだ。自分とほとんど変わらない。奥さんが64歳という事実に、我々…

その分析は何のため? 『会社を変える分析の力』を読む。

最近、お昼はテレビを見ている。この時間帯にやっているのは、お笑い芸人のロケ番組か、徹子の部屋か、ワイドショーくらいだ。そう言えばお昼の顔は、タモリからナンチャンになっていた。500円そこらの弁当を食べているのに、東京の人気グルメなんか見せられ…

この選択肢はどうだろう 『戦争する国にしないための中立国入門』を読む。

安倍首相は南スーダンでのPKO活動で自衛隊に死者が出た場合、辞任する意向を示したようだ。国連は南スーダンの治安は非常に悪化しているとして警戒を呼びかけている。南スーダンでの活動報告書も破棄されたとかで防衛省の隠蔽工作が疑われている。 いよいよ…

国谷さんからのメッセージ 『キャスターという仕事』を読む。

録画している動画がハードディスクの容量いっぱいになった。もはや、一刻の猶予も許されない。このままでは、奥さんが観たいと言っていたドラマを録れないではないか。最近多忙を極めている我が夫婦は全くテレビを観ていなかった。週末にまとめて観るはずの…

本当に民意は反映されているのか 『多数決を疑う』を読む。

先日のオバマ大統領の演説は素晴らしかった。大統領候補のキャンペーンでの彼の演説を目の当たりにして以来、個人的にひいきにしている。彼の8年間の功績の評価はアメリカ人に任せよう。核なき世界を訴えノーベル平和賞をもらい、アメリカ大統領として初めて…

混乱の震源地を理解する 『中東崩壊』を読む。

友達がエジプトに旅行に行くという。これだけテロや内戦が頻発している地域によく足が向くものだと関心する。私なんか何度もトルコに行こうと思い立っては、二の足を踏んでいる。「いつかは行ってみたいね~」が口癖の私に辟易している奥さんは「事件や事故…

Google先生とのつきあい方『誰が「知」を独占するのか』を読む。

電動歯ブラシに専門の歯磨き粉があることがわかった。奥さんに「ちょっと調べてよ」と言われて、例のごとくGoogle先生を使って検索した。何も考えず、上位3つの記事を読んで歯磨き粉を選んで奥さんに報告した。「研磨剤が入ってなくて、ジェルタイプがよさ…

OECDの統計データはすごい『武器としての人口減社会』を読む。

アメリカの大統領選挙はトランプの勝利で幕を閉じた。彼の大統領としての資質はともかく、気になったのはメディアの予測が外れたことだ。データに基づいた予測が外れた。世論調査とは逆の結果になった。もうデータによる予測や分析は役に立たないのか。そう…

新しい大統領の誕生『アメリカ政治の壁』を読む。

8年前、アメリカ留学中の私はオレゴン州ポートランドでたまたま、オバマ上院議員(当時)の演説を聴いた。民主党の予備選挙の真っ最中で、ヒラリー候補と接戦を繰り広げていた。そのときのオバマの勢いは凄まじいものがあり、ポートランド市は大混雑だった…

あるフランス人学者の予言『問題は英国ではない、EUなのだ』を読む。

本屋を覗いたらエマニュエル・トッドの本がやたらと目についた。トッドと言えば、大学のゼミでは彼の著書『移民の運命』と『デモクラシー以後』にお世話になった。正直、おバカな大学生活を送っていたので、内容までしっかり覚えていない。ただ、行き過ぎた…

相互理解の難しさ『日本と中国』を読む。

また友人が中国人の文句を言っている。なんでも、並んでいたレジに割り込んできたという。しかも、うるさいくらい大声でしゃべっている。「だから中国人は」は彼の口癖だ。中国人の人口は10億人以上。世界の人口が70億人くらいだから、7人に1人は中国人だ。…

権力に踊らされる男『政府はもう嘘をつけない』を読む。

私だってもう30過ぎのいい大人だ。新聞やテレビが伝えているものが、偏ってたり、情報が制限されてたりすることくらいわかっているつもりだ。メディアというのは私たちにかわって情報を選択して要約してわかりやすく伝えるのが役割だから。ただ、どの情報…

境界意識の低さ 『入門 国境学』を読む。

ロシア経済分野協力担当相なるものが新設された。特定の国だけのための担当大臣というのは珍しい。それだけ安倍政権はロシアとの関係を重視するという事だろう。やっぱり北方領土問題の解決のための戦略があるのだろうか。言論の自由を盾に敢えて書かせても…

近現代史を学ぶ意味『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読む。

間に合った。この本は終戦の日までに読み終えたいと思っていた。めちゃめちゃ面白かった。改めて歴史は奥が深いと思った。 ちまたでは、歴史ブームだ。書店に行くと世界史、日本史の教科書がエンドに陳列されている。よく見てみると高校時代に使った教科書じ…

『税金逃れの衝撃』を読む。

仕事に就いた頃、給料から住民税を引かれていた。住民税は前年の所得に対してかかる税金だから、新卒で入ったその年に取られることはない。実家に返った時、役所で働いていた母に給与明細を見せて、事が発覚した。会社の総務に伝えてお金は戻ってきたが、そ…

『中東複合危機から第三次世界大戦へ』を読む。

仕事が一段落ついたら海外旅行に行きたいと思っていたのに。最近の中東情勢の悪化と欧米でのテロ事件が、ビビり屋で小心者の私の気持ちを萎えさせる。旅行中にイスラム過激派なる連中に拉致されて、オレンジ色の服を着させられて、首にナイフを突きつけられ…